店舗が消えゆく中、この銘柄は「買い」
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- 2023年4月13日
- トピックス
アマゾンがリアル店舗の68店閉鎖しました。
2016年12月、Amazon社が展開した完全無人のデジタル店舗「Amazon GO」。
EC業界を創り上げたAmazonがリアル店舗に展開する。
これによりデジタルとリアルが融合する新しい店舗が生まれるだろう… そう期待されていたのですが、ご存知でしょうか?
Amazonはこの2年ほどで、68店舗もリアル店舗を閉鎖していたのです。
またAmazonだけでなくウォルマートも実店舗の客足が遠のいているとBUSINESS INSIDER に書かれていました。
店舗が消えていくことだけを見てしまうと暗いニュースですが
オンラインショップの増加等小売業界に今、変革が起きているため
新しいビジネスが生まれ、大きな投資チャンスになりうる可能性もあるのです。
このような状況の中、我々が注目すべき銘柄は一体何なのでしょうか。
今回はWeiss Ratingsシニアアナリスト、ジョン・マークマン氏による「小売業界の変革」の分析をお届けします。
COVID-19と電子商取引で小売業は変わった。
今、業界幹部は実店舗の必要性に注目しており、それは投資家にとって大きなチャンスでもある。
著名なテクノロジー・アナリストであるベネディクト・エヴァンス氏が先週行った調査によると、業界では顧客獲得コスト(CAC)をいかに低く抑えるかが重要になる。当然だが、店舗を持ち、家賃や従業員の給料を支払うと、その分、顧客獲得コストは高くなってしまう。
小売業におけるこの新しい動きを利用するために、投資家はフェデックス(FDX)の購入を検討すべきである。説明しよう。
一昔前までは、売上を伸ばすための見取り図はシンプルであった。それは店舗を作ることである。
2000年代前半に電子商取引が登場しても、小売業の経営者は実店舗が顧客体験に欠かせないと考えていた。2015年にアマゾン・ドット・コム(AMZN)が出店を開始したとき、この見方は正当化されたように思えた。しかし、デジタル・ショッピングカートの利便性は、実物の満足感に打ち勝った、とフォーブスは述べている。
アマゾンは今、実店舗の戦略を見直そうとしている。同社は、レジのないコンビニエンスストア「Amazon Go」の8店舗を閉鎖し、書店の全68店舗を閉鎖する計画だ。
業界幹部は、売上を伸ばすために店舗を開くという戦略から脱却
店舗賃料は、以前は小売業の最高財務責任者にとって別カテゴリーであった。現在、賃料は、プロダクト・プレイスメント・マーケティング、デジタル検索広告、ブランド・マーケティング、低価格、より良い返品ポリシー、送料無料と同じ、幅広いCACカテゴリーに括られている。
Amazon.comは、デジタル・ストア・フロントで検索ワードをオークションにかけることで、年間380億ドルの広告ビジネスを構築した。小売業者は手数料を支払うことで、自社製品をリストの一番上に掲載することができる。
これは、食料品店がプロクター・アンド・ギャンブル(PG)やコルゲート・パルモリーブ(CL)などのブランドにアイレベルの棚スペースを売るために使っているビジネスモデルのオンライン版である。しかし・・・
マーケティングはあくまでパズルの1ピース
エヴァンス氏は、商品やメディアが無限に供給される中で、顧客が物理的にどのように商品を手に入れるのか、資本に対する最高のリターンは何なのか、経営者はより難しい問いを投げかけていると指摘している。
アップル(AAPL)は素晴らしい小売店チェーンを運営しているが、年間売上高の10%しか生み出していない。エヴァンス氏によれば、店舗は小売業というより、マーケティングツールなのだという。明るく混雑したアップルストアは、iPhoneやiPad、Macコンピュータの素晴らしさをアピールするために存在している。
一方、中国のファッション小売業であるシーンは、商品開発のルールをすべて破り、勝利を収めている。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は昨年4月、急成長する中国ブランドの評価額が1000億ドルに達し、ファストファッションの2大チェーンであるH&MとZaraの時価総額合計を上回ると報じた。勝利を収めたシーンの秘密とは一体なんだろうか?それは
無限の供給と無制限
メディアマーケティング
オンラインだけの会社であるシーンは、毎日5000~10000の新しい商品を生み出している。デザインは、ソーシャルチャネルやその他のオンラインチャネルを通じて、事前にマーケティングされる。そのようにマーケティングされたものだけを製造し、出荷するというものである。
このモデルはゲームチェンジャー
小売業者は、高い店舗賃料や人件費を省き、D2C(消費者に直接販売するビジネスモデル)を採用することで、投資に対するリターンを大きくすることができることがわかってきている。より安い価格設定、より良い返品条件、そして送料無料というキッカーが組み込まれている。
D2Cはまた大ヒットするだろう。そしてその時恩恵を受けるのが
フェデックス(FDX)という、220の国と地域で事業を展開するグローバルな大企業である。
D2Cが流行ることで、空路や地上で、重量貨物やドキュメントなどの物流サービスを提供する同社にとって大きな追い風が吹くだろう。
モルガン・スタンレー(MS)の研究者によるレポートによると、世界の電子商取引は、2022年の3兆3000億ドルから2026年には5兆4000億ドルに成長すると予想されている。
フェデックスの幹部は、新型コロナウイルスの大流行で、配達件数が異常に増加したことを受け、事業規模の適正化を進めている。急成長しすぎた規模はしっかりと修正されつつある。
3月、CEOのラジ・サブラマニアム氏は、第3四半期の利益が1株当たり3.41ドルに達し、事前予想を25%上回ったと発表した。サブラマニアム氏は、コスト削減と効率の向上が結果につながったと考えている。また、フェデックスは現在、通期の1株当たり利益が13.80ドルから14.40ドルの範囲に達すると予想していることを発表した。
フェデックスの株価は219.82ドルで、将来利益の18.7倍、売上高のわずか0.6倍で取引されている。これらの指標は、歴史的な倍率の範囲内であり、来るべきD2Cブームを反映したものではない。
つまり、D2Cブームが来た際はさらに上昇が考えられ、18カ月以内に305ドル(現在の水準から38.6%の上昇)に戻るだろう。
取引に参加する前に、常に自分自身のデューデリジェンスを行うことをお忘れずに。
お読みいただきありがとう。
ジョン・D・マークマン
4月6日にbloombergに掲載された記事には、
フェデックスは40億ドルのコスト削減計画を発表したと書かれていました。
同社は昨年12月にもコスト削減を発表し、数日で3.7%株価が上昇したこともありました。
定期的にコストを見直すことでより良い利益を求めています。
マークマンの分析にあるように
・今回のコスト削減により、さらに利益率の改善などが見られる
・D2Cブームがまた来る
ことがあれば18カ月以内に、株価が38.6%上昇することもありそうです。
景気動向に強いディフェンシブ銘柄でもあるので、今後確実に来ると予想されている景気後退に備えて投資しても良いかもしれません。
ただ、あなたがD2Cのブームよりもより大きな波に乗りたのであれば
マークマンが見つけたこの企業もおすすめです。
この企業は今後確実に来る2つの大きな波に乗れる、パワーエリート企業です。