明確な弱気トレンドを生んだ三大要因を乗り越える方法
- 1053 Views
- 2022年9月26日
- トピックス
市場が下落しようとしていることが明白になってきた。
広範な市場は下降トレンドだ。
そこで今回は、強気な見方をする人達が直面する問題と、最終的に市場の本当の底を引き起こすもの、そしてあなたが、どうやってその流れに乗ることができるかを挙げたい。
弱気要因 #1:大幅な利上げ
先週週は消費者物価指数(CPI)が注目された。年間インフレ率は8.5%から8.3%にやや鈍化したものの、予想を大きく上回っており、コア・インフレ率はさらに注目された。 FRBは今、インフレにレーザーを当て、インフレ抑制を決意している。
彼らの唯一の武器は利上げであり、それを棍棒のように使うだろう。FF金利先物のターミナル・レート(利上げサイクルの最終着地点)は4.25%程度を想定しており、現在は、2.5%となっている。しかし、ウォール・ストリートでは現在、ターミナルレートを5%、もしくはそれ以上を予想する声も聞かれる。
FRBは水曜日に次の引き上げを発表する。75ベーシスポイントは完全に織り込み済みだ。 100ベーシスポイントの引き上げを予想する声もある。どうなるか様子を見ていくしかない。
注釈:21日のFOMCで0.75%利上げを発表
問題は、今年に入ってからの引き上げで、住宅市場に大きな打撃を与えたことだ。また、住宅ローンの月々の支払額の中央値が1年前と比較して40%近く上昇していることから、不動産に関するニュースは一層弱気なものとなってきている。金利が上がるとどうなるのだろうか?
FRBがインフレ抑制のために、少なくとも短期的には、不動産にどんなダメージを与えようとも構わず、そして、それが株式市場に何をもたらすかは気にしていないと、トレーダーたちは考えている。
弱気要因 #2:量的引き締め(QT)
GLJリサーチのゴードン・ジョンソン氏は、この木曜日にFRBが住宅ローン担保証券の購入を停止したことを指摘している。 ジョンソン氏は次のように書いている:
「FRBが2008年に住宅ローン金利を抑制し、住宅価値を高めるためにMBSの購入を開始したことを考えると、これは米国史における重要な瞬間だ」
実際、FRBが前回9月14日に購入したのは、9月の3億8700万ドルという非常に控えめなものであり、10月20日に決済され、10月27日にバランスシートに反映される。
「前回FRBがQTを行った時は、2017年11月から2020年2月まで続き、バランスシートで認識できるようになるまで3カ月かかった・・・そして、FRBがMBSを完全に排除したいと何度も述べていることから、MBS証券の全面売却を始めるのは時間の問題のように思える・・・米国の富の大部分が住宅であることを考えると、これは好ましいものではない。」
明るいニュースだとは言えない。実際のところ、FRBが住宅ローン担保証券の売却を開始するかどうか、FRBが量的引き締めを強化する中で不動産や米国経済全体がどのように推移するかは分からないが、前回FRBがQTを実施しようとした際には、市場がパニックに陥り、FRBが手を引くまで激しく売られた。
今回は、FRBがインフレに注目しているため、トレーダーは降参することになりそうだ。
弱気要因 #3:不況の絶望ループ
ウォール・ストリートは、前述した2つの要因によって将来を懸念している。
懸念が重なり、破滅のループが出来上がる。トレーダーは、価格の低迷や困難な状況を予想して売り、それが価格の低下を招き、さらに売りを誘発する。私が注視しているS&P500の週足チャートを見てみよう。
S&P500が上昇トレンドを割り込んだことがわかる。つまり、少なくとも6月の安値を目指し、さらに下がるかもしれないということだ。
どのくらい続くのか?私は、FRBが最終的に利上げをやめる合図をするまでは終わらないと考えている。それは、「利上げサイクルの終わりに近づいている」という表現に調整した時だ。
以前から何度も述べているように、この市場はファンダメンタルズによって動いているわけではない。FRBによる金融緩和を予想する心理で動いている。
FRBがいつ合図を出すのかは分からないが、米国が景気後退に向けて加速しているのであれば、インフレ率が目標の2%に遠く及ばずとも、FRBは利上げに考えを改めるかもしれない。
どう行動すればよいのか?
この流れに乗る方法は2つある。1つは、相場の上昇局面でリスクヘッジのポジションを取ることだだ。ナスダック100が下がると上昇するプロシェアーズ・ショートQQQ (PSQ)や、2倍、3倍のインバース型ファンドがある。これらのファンドは非常に投機的であり、短期的に保有するものであることに注意しておこう。買ったままにしておくと、痛い目にあう場合もある。
もうひとつは、配当のある株を買うという方法だ。フィデリティ・リサーチのこのチャートは、現在のような高金利環境において、配当企業がいかにアウトパフォームするかを示している。
紺色は価格上昇率、緑は配当利回りで、これらを合わせたトータルリターンを示している。黄色の菱形の高さは、各年代の平均インフレ率を示している。
この位置が高くなると、配当利回りが非常に重要になる。債券などの「固定」投資では、保有する投資家にあらかじめ決められた金利が支払われるからだ。一方、インフレが進むと、企業は配当を増やすことができ、そうする場合が多い。
市場は下落していく可能性が高い。配当の良い銘柄で下落時の打撃を和らげ、もしくはリスク許容度の高い人はインバース型ファンドを利用したりするのも良いだろう。
いずれにせよ、今は隠れている場合ではない。行動を起こし、利益を目指す時期だ。いつものように、ご自身でデューデリジェンスを行うことを忘れないでいただきたい。
あなたの成功を祈って。
ブロドリック
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。