米議会で非難を浴びるビッグ・テック
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- 2022年9月26日
- トピックス
ハイテク企業が抱える問題は、長らく投資家から注目されていた。
先週、大手ソーシャルメディア・プラットフォームの幹部が米上院司法委員会の公聴会で証言を行った。単刀直入に言うと、 政治家はハイテク企業をスケープゴートにしたがっている。
ハイテク系株価の売り圧力は続くだろう。
これはお馴染みのパターンだ。まず米国の政治家は、大手テクノロジープラットフォームに対して、テレビや印刷メディアのプラットフォームとは異なるコンテンツモデレーション(投稿監視)の基準を求めている。そして、彼らは、後で資金調達キャンペーンに使えるようなサウンドバイト(選挙運動などに使用する発言や映像)を集めるために、公聴会を開催する。
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予想通りの中傷合戦で、悲しいほど効果的だ。
先週に行われた注目すべきやり取りでは、委員長のゲイリー・ピーターズ上院議員(民主党)が、ツイッター(TWTR)、メタ・プラットフォームズ(META)、YouTube、TikTokの広報担当者に、コンテンツの信頼性と安全性について詰め寄った。ピーターズ氏は、各社ともコンテンツモデレーションだけに特化した大規模なエンジニア・チームを持っていないと一蹴した。
もうひとつの重要なやり取りとして、ジョシュ・ホーリー上院議員(共和党)は、ツイッターのエンジニア4000人がユーザーの位置情報や個人情報にグローバルにアクセスできたのは事実か、と質問した。 データは政治的な目的のために悪用されているという意味合いもあった。
対策はある。米議会はビッグ・テックを規制することもできるが、それをスケープゴートにする方がはるかに都合がいい。アメリカのあらゆる問題をビッグ・テックに転嫁することは、実際にルールを作る役割を担っている人たちへの目をそらすことになる。
悲しいことに、政治が分裂しているときでさえ、政治家たちは一致してビッグ・テックを非難し、さらに都合のいいときには知的財産を国有化しようとするのだ。
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エヌビディア(NVDA)は先週、米証券取引委員会(SEC)に提出した書類の中で、米政府機関からハイエンド・グラフィック・プロセッシング・ユニット(GPU)の中国企業への販売中止を求められたと述べた。ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、同様の要請がアドバンスド・マイクロ・デバイシズ(AMD)にもなされているという。
米国は、NVDAやAMDなどの企業により、半導体の技術革新において紛れもない世界的リーダーとなっている。NVDAの発表以来、セクター全体が圧迫されている。投資家は、次にどのような企業が影響を受けるかわからない。
イノベーションに投資するのは難しい時代だ。米議会から爆弾があちこちに落とされている。
上院国土安全保障委員会がハイテク企業の幹部を議会に呼ぶことを投資家は常に懸念しなければならない。失うものはあっても、得るものはほとんどない。センチメントの悪化がいつまで続くかわからないが、投資家が逆風を恐れるのは正しい。
つまり、 ハイテク系投資家は、これらの件がすべて片付くまで冷静を保つべきだろう。
健闘を祈る。
ジョン・D・マークマン
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