金鉱業株を買うべき時を示す、1つのチャート
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- 2021年9月3日
- トピックス
2021年の大半、軟調な動きが続いた貴金属と鉱石は、ようやく目を覚ましたのかもしれない。
今が買い時なのかどうかは、近いうちに分かると考えている。今回は、何を注視したらよいかをお伝えし、その時が来たら、いくつかの投資アイデアを提供したい。
まず、金は今年に入ってから4.4%の下げとなっている。S&P500の21.8%上昇、銅の年初来の22%上昇、原油の38%上昇などと比較してみると、投資家がかつての輝かしい金属を敬遠するのは当然のことだ。今年はこれまで、単純に他の資産で利益を手にする方が簡単だった。
だが、状況は変わりつつあるかもしれない。
鉱山会社は金属を上下ともにリードするということを知っておく必要がある。よって、上昇の兆しを探すならば、金鉱業株に注目する。そして、それを簡単に追跡できるのが、ヴァンエック・ベクトル金鉱株ETF(GDX)だ。
これは、大手の金と銀の鉱山会社のバスケットを追跡しており、先日、GDXは大きなの出来を伴って力強いラリーを見せた。これにより、多くの金投資家は、「やっと、貴金属や鉱山株が目を覚ますのか」と歓喜した。私の気に入っているモメンタム指標であるフォース・インデックス(勢力指数)も「買い」のシグナルを出した。
GDXの日足チャートを見てみよう。
だが、私はまだ納得できていない。
それは、5月にも同じような大きな出来高のラリーがあったからだ。その結果、GDXはしばらく横ばいで推移した後、階段を転げ落ちるように下落した。その後、大きく下落した後、再び急落し、その後は下降トレンドになっている。また、7月29日に始まった強気のフェイクアウトは、1週間後に崩壊した。
だからこそ、先日までは、誰もが鉱山株や金属に嫌悪感を抱いていたのだ。
しかし今、先に述べたように、多くの人が強気に転じているが、私はまだ買う気にはなれない。金が現在のレンジを超えてより高い終値となれば納得できる。
近日中にそうなれば、翌週はさらに強気になるだろう。そうでなければ、もうしばらく待ちたい。
それまでの間、金に関する強気のニュースをご紹介したい。
1. 旺盛な中国の金需要。
2020年に20%減少した中国の金需要は、今年前半に69%も急増した。確かに、簡単な比較ではあるが、今年は中国の暦では辰年であり、中国のミレニアル世代がゴールドのドラゴンジュエリーを買い漁っていることも背景としてある。
2. 減り続ける世界の金生産量。
実際、世界の金鉱山の生産量は2018年にピークを迎えた。それ以来、下り坂だ。そして、供給量が減れば、価格は上昇する傾向にある。
3. 金貨を買い求める消費者の増加。
米国造幣局によると、8月のアメリカン・イーグル金貨の販売量は13万6000オンスで、7月の販売量の2倍以上となった。世界各国の造幣局でも、需要の増加が報告されている。また、銀貨の販売も急増している。
4. 経済政策シンポジウムでのパウエルFRB議長の講演。
パウエル議長は、FRBは今後も容易な資金の流れを維持すると約束した。また、欧州の中央銀行も最近はタカ派的な発言を控えている。
だからこそ、金に強気な投資家たちが、再びウォールストリートを席巻する用意をしている。
これが底だとすれば、何を買うべきか?
ヴァンエック・ベクトル金鉱株ETF(GDX)に注目している。
また、より多くのリスクと報酬取りたい方は、ヴァンエック・ベクトル中小型金鉱株ETF(GDXJ)でもよい。この新しい強気の流れが本物であれば、この2つは上昇トレンドを描くのではないかと見ている。
また、これらのファンドの保有銘柄を掘り下げて、個別の銘柄を探してもよい。ETFよりもリスクは高いが、その分、大きな利益が狙える。
ご紹介したチャートから目を離さず、心に希望を持って頂きたい。金の大きなラリーは遅れているが、すべてのファンダメンタルズが、今後のラリーを物語っている。
あなたの成功を祈って。
ブロドリック
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