来たるオイルブームにどう乗るか
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- 2022年10月20日
- トピックス
苦戦を強いられていた原油がようやく目を覚ましたのは、当然といえば当然だ。景気後退への懸念は高まっているものの、需要は旺盛で、供給はタイトな状況となっている。
原油高に対抗する米国の秘密兵器で、バッテリー駆動の電気自動車が今後数年で石油消費を駆逐するという話をしたが、欧州各国は早急に対応しなければならない危機に直面している。
ウクライナ戦争は激化し、各国が対ロシア制裁に追われる中、世界のエネルギー市場に大きな打撃を与え続けている。
また、同メルマガ内で、OPEC+が目標原油生産量を200万バレル減産することで合意したこともご紹介したが、実際には日量90万バレルの削減となるだろう(元々生産量の上限まで生産していたわけではない)。
OPEC+が協力的ではないため、欧州が冬に向けてより多くの石油を必要とする中、米国は増産を余儀なくされている。
原油のチャートは、ここ数カ月の下降トレンドから抜け出し、かなり改善してきている。
米国は、戦略石油備蓄(SPR)の在庫をさらに放出することで、OPEC+の減産を緩和する計画だ。米政府はすでに来月1000万バレルの追加放出にゴーサインを出している。
これらの放出は、最近の価格抑制に効果を発揮しているが、あくまでも一時的なものだ。現状では、米国のSPRは現在4億1600万バレルを保有している。 これは、1年前と比較して33%減少している。
下のチャートは、SPRが1984年以来の低水準まで枯渇したことを示している。9月に発表された直近の数値を反映している。
米国は、エネルギー自給率を向上させるために再び燃料を蓄える必要があり、不況リスクを織り込みながらもすでに日量100万バレル増加すると予測される世界需要に拍車をかけることになるだろう。
投資家はどう対応すべきか
エネルギーセクターが歴史的にFRBの利上げサイクルにおいて最も注目されるセクターの一つだ。
水曜日のFRB議事録では、中央銀行の各総裁がインフレが落ち着くまで金利を引き上げ、継続し続けるべきだという認識で一致していたことが明らかになった。
政策転換への楽観的な見方が薄れる中、これらの銘柄は今後もアウトパフォームを続けるだろう。
1つは、SPDR S&P石油・ガス探鉱生産ETF(XOP)だ。XOPは、石油の探査、生産、精製、販売に携わる企業の大型、中型、小型株で構成される均等加重指数であるS&P石油・ガス探鉱生産セレクト ・インダストリー・インデックスに連動している。
このファンドの組入れ上位3銘柄は、PBFエナジー(PBF)、テキサス・パシフィック・ランド(TPL)、デンベリー(DEN)だが、コノコフィリップス(COP)、マラソン・ペトロリアム(MPC)、バレロ・エナジー(VLO)などの大企業も含まれている。
このファンドは約48億ドルの純資産を運用し、経費率は0.35%。最近の利回りは年1.4%となっている。
XOPのチャートを見ると、5月のピーク以降、ファンドが値幅を縮小させていることがわかる。
S&P500は今年に入ってから25%下落しているのに対し、XOPはこれまで39%上昇している。私は、強い追い風を受け、今後も堅調に推移するとみている。
ポジションを取る前には、ご自身で調べて頂きたい。しかし、利上げが続く一方で、原油は勢いを増しており、エネルギー銘柄をポートフォリオに加えることは理にかなっていると言えるだろう。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
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