高齢化社会で注目すべき2つの銘柄
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- 2023年5月18日
- トピックス
高齢化は日本だけの問題ではありません。
閣上の画像を見ると、日本が圧倒的ですが、
世界中で高齢化が進行していることがわかります。
中国に至っては2050年までに
日本の高齢化率を追い抜くと予想されています。
アメリカも例外ではありません。アメリカでは2035年には
高齢者の割合が未成年者を抜くと言われています。
高齢化になると、いったい何が起こるでしょうか。
若年層への年金負担?
介護者の増加でしょうか?
様々な問題が考えられますよね。
しかし、その問題を解決する企業に
大きなビジネスが舞い込むということ。
そういう企業に投資しておけば
高齢化という波から大きなリターンが狙えるかもしれません。
今回はショーン・ブロドリック氏が選んだ、高齢化からリターンを狙う投資先についてお届けします。
アメリカは急速に高齢化が進んでいる。
しかし、それはアメリカだけではない。
欧州、中国、日本はこの傾向でさらに悪い状態だ。
日本は、「超高齢化社会」であり、世界で最も高齢化が進んでいる国の一つだ。人口の28.7%が65歳以上であり、女性が過半数を占めている。
また同国の100歳以上の人数は、過去最高の8万人になっている。2036年には、65歳以上の高齢者が日本の人口の3分の1を占めるようになる。
出生率の低下に伴い、世界の平均寿命は5年ごとに1歳ずつ延びており、1950年の48歳から延びて、2050年には平均77歳に達すると言われている。
2050年には、60歳以上の人口が21億人になり、2015年の2倍以上になる。
米国国勢調査局によると、米国にのみ焦点を当てると、以下の通り予測されている。
– 2034年には65歳以上の成人が7700万人になる。
– 2035年には子供より高齢者の方が多くなる。
– 2060年にはアメリカ人のほぼ4人に1人が65歳以上となる。
長生きするようになったからこそ、私はこのトレンドを「老いたオオバン(ツル科の鳥)の復讐」と呼んでいる。 そして、そのような層が急速に増えているため、
その年齢層に合った銘柄がある
それら全てに飛び込むつもりはない。しかしその中には、特に彼らが属するセクターを考えれば、明らかなものもある。
高齢になると、より多くの医療を必要とするようになる。
年齢別の健康支出
実際、米国の医療費は45~64歳の層から65歳以上になるとほぼ倍増し、医療費はインフレ率よりも速く増加する。
そして、その支出増で利益を得ているのは誰なのか?
医療機器、医薬品及び消費財
を開発する企業である。
ジョンソン・エンド・ジョンソン(以下JNJ)のように、1886年の創業以来、あらゆる種類のヘルスケア製品を提供し続けている企業だ。
JNJは、(1)コンシューマーヘルス、(2)医薬品、(3)医療技術の3部門を中核事業としており、コンシューマーヘルス部門は近々独立した事業として分社化する予定である。(本記事執筆後に分社化している)
また、コンシューマーヘルスは医薬品や医療技術に比べて成長ペースが遅いため、新事業として分離することで、JNJは最も生産性の高い2つの部門の成長にリソースを集中することができる。
このことは、結果的に会社の成長をより確かなものにするはずである。
JNJの1年価格チャート
株価は今年8%以上下落しているが、JNJの200日移動平均線を試している。
この銘柄は、2.78%という市場最高水準の利回りで配当が支払われ、ヘルスケアセクターは、ヘルスケアへの需要がいかに非弾力的であるかを考えると、不況に強いと言える。
もう1つの見どころは?
シニアハウジング
アメリカでは、老人ホームや長期療養施設は大きなビジネスである。
国立老化研究所によると
ホームヘルスケアを活用している高齢者は約470万人、福祉施設は73万人、熟練看護施設(ナーシングホーム)は140万人とのことだ。全国には約16,000の老人ホームがあり、ベッド数は180万床ある。
私の故郷であり、神の待つ部屋と呼ばれるフロリダ州はその代表的な例だ。
フロリダ州では、73,000人の住民が老人ホームで生活しており、同州の施設の入居率は87%となっている。
その業界には、投資すべき場所が分かれば利益の可能性があり、不動産投資信託はその手始めとして適している。
私が特に気に入っているREITは、アメリカ、カナダ、イギリスで高齢者向け住宅に特化したベンタス(VTR)だ。
ベンタスは、ヘルスケア施設の所有、管理をしており、そのポートフォリオは、老人ホーム、医療オフィスビル、リハビリテーションセンター、急性期医療センターのほか、ラボ、研究センター、医療外科センターなど1200の物件で構成されている。
今年に入ってからの株価は1%未満下落したが、過去6ヶ月で20%以上上昇しており、本稿執筆時点では、50日移動平均線と200日移動平均線の両方を上値抵抗として試している。
ベンタスの1年価格チャート
ベンタスの魅力はまだまだある。他のREITと同様に、課税対象利益の90%を配当の形で株主に支払わなければならない。
ベンタスは、なんと4%の利回りを支払っている!
これらの銘柄を買えというわけではない。
言いたかったのは、世界の人口は急速に高齢化しており、高齢化に伴って特定の商品やサービスに対する需要が急増するため、見識のある投資家は莫大な利益を得る可能性があるということだ。
いつも通り、ご自身のデューデリジェンスを忘れずに、拡大し続ける高齢者にレバレッジを効かせたセクターや銘柄を意識しよう。
健闘を祈って
ショーン ・ブロドリック
少子高齢化で狙っていきたい銘柄は
・医療機器、医薬品及び消費財
・シニアハウジング
でした。
ヘルスケア銘柄は
非常に景気動向に強く、長期で
保有しておきたい銘柄です。
特にベンタス(以下VTR)は現在46ドル(2023/05/12)
と比較的安価でありながら
配当利回りが4%ほどあります。
VTRの株価は現在は低いのですが
これから先、アメリカでの高齢化が深刻化すれば
ブロドリック氏の分析の通り
投資家は莫大な利益を得る可能性がある
かもしれません。
ただ、あなたが莫大な利益を狙うことよりも
ヘルスケア銘柄で、
より安定した配当を重視するならば
このハイスピード増配銘柄が
おすすめかもしれません。
この銘柄は
VTRと同じく配当利回りが4%近くあり
この銘柄は50年以上連続増配している
配当王と呼ばれる銘柄です。
VTRも4%を超える利回りが魅力ですが、
実は2020年と2021年に連続して減配しています。
さらに
・Weiss Ratingsが買い推奨する厳選ヘルスケア銘柄の中で
配当利回りNo.1(ジョンソン&ジョンソンより30%も多い!)
・さらに毎年11%以上のスピードで配当金を
増やし続けている(ジョンソン&ジョンソンの約2倍!)
という特徴があります。
長期保有しながら高配当も狙える
今後保有したいおすすめ銘柄です。
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。