今の上昇、ブルトラップ?
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- 2022年7月29日
- トピックス
こんにちは。Weiss Ratings Japanの安居です。
ちょっとお久しぶりですね ^^;前回のメルマガでは、今年大きく下落したGAFA銘柄の格付けや業績を紹介しました。
前回のメルマガはこちらからご覧ください
↓
※tradingview
メルマガでは今仕込むならAppleかGoogleが良さそう、、、と話していましたがAppleは+6.63%と上昇したのに対しGoogleは-5.27%と下落。
去年までのように「GAFAが強い!」っていう雰囲気ではありませんが相場も安定してきた感じでしょうか ^^;
とはいえ、、
昨日の株式市場はFOMCの発表を受けて大きく上昇しました。
ナスダックに至っては2020年4月以来なんと2年以上ぶりの大幅上昇です ^^)
昨日の上昇がなければほとんどの銘柄が横ばい、もしくは下落基調なので厳しい相場が続いていることは代わりありません。
2020年4月というと、コロナショックの大暴落からの急回復の時なので、その時以来の上昇というのは明るい未来を感じさせてくれますが…
個人的には昨日の上昇はちょっと怖いです ^^;
大きく上昇したと思ったら、その後大きく下落するいわゆる「ブルトラップ」なんじゃないかなと…
※tradingview
ブルトラップというのは上昇するかと思ったら反転して急落する…というやつで、下落相場の中で何度も起こります。
今年の前半は歴史的な下落相場でしたが、数日で10%くらい上昇する”強い(でも短い)”上昇相場も何度かあったんです。
上の画像はNASDAQ100(QQQ)のチャートですが3月には2週間で16%と非常に力強い上昇がありました。
でもその後の1ヶ月で28%も下落しています。
力強い上昇を見て「相場が反転した!」「この上昇に乗らないと!」と思った投資家から資産を奪うまさにブルトラップです ^^;
ということで今回は直近で株価が回復基調にある理由を踏まえ色々な経済指標の予定から「なぜブルトラップと思うのか?」「今はどう投資すべきなのか?」を書いていきたいと思います。
「経済動向なんかどうでもいい 長期で強い株を持ち続けるんだ」という方は読み飛ばしてもらってOKです ^^)
●なぜ昨日の相場は大幅上昇した?
昨日の大きな上昇はFOMCで「思ったより急激な利上げをしなかった」「今後も思ったより急激な引き締めはなさそう」と思われたことが大きな要因だと思います。
つまり、悪い状況の中で「まだマシ」な情報が出てきたというだけで、別に市場や経済が良くなったわけではありません。
報道では「FOCMがハト派的と受け止められたことが好感」などと書かれていますが、去年の後半にハト派を貫いたことで歴史的なインフレと景気後退懸念を招いてしまったことを忘れたんでしょうか… ^^;
このメルマガが届く頃にはもう出ていると思いますが、7月28日にはGDPの発表があります。
GDPの予想値をリアルタイムで出しているGDP nowの予測はマイナスなので、予想通りなら二四半期連続でマイナス成長。
一般的な定義でのリセッション入りになります。
8月1日と3日には、景気の先行指標として知られる製造業・非製造業指数の発表があります。
7月に発表された製造業・非製造業指数はどちらも大きく低下し、景気が冷え込んでいる可能性が示唆されました。
8月に発表される指数がさらに下落していたら景気の見通しはさらに悪化します。
8月5日には雇用統計が発表されます。FRBはこれまで雇用が強いことを理由にアメリカの経済はまだ強いと言い張っていました。
でもここ数ヶ月、テスラ、ツイッター、ネットフリックスなどが人員削減を進めているニュースを見たことがあると思います。
さらにアップルやグーグル、フェイスブック、マイクロソフトなども将来の採用計画を見直しています。
ここからさらに雇用状況が良くなるというのは考えにくいですね ^^;
となるとFRBが「アメリカ経済はまだ強い!」と言い張る理由の一つがなくなることになります。
そして8月10日には消費者物価指数(CPI)の発表です。
前回のCPIは前年比9.1%とさらに悪化していましたが株価はそこまで大きく動きませんでした。
今年に入ってCPI発表の前後で大きく株価が乱高下していたので意外に思った方も多いかもしれません。
その理由の大部分はアメリカ政府が全力で”火消し”を行ったからだと思います。
6月CPIが出る2日前、ホワイトハウスは「CPIは大幅に上昇すると予測している」と発表しました。
経済指標の発表前に政府が予測を言うのはどうなんだ…とも感じますが ^^;
CPIが発表された直後の声明文でバイデン大統領は・もうエネルギー価格は下がり始めており 6月CPIは古いデータだ・他の指標でインフレはピークアウトしていると言っています。
個人的に、正式な経済指標に対して政治家が「このデータは参考になりません」といった趣旨の発言をするのは好きじゃありません ^^;
データは変な解釈や思惑が入らず客観的な事実を見せてくれるから信頼できるんです。
何はともあれ、前回のCPIはホワイトハウスの対応によって多くの人がデータを信頼していなかったから株価が動かなかったという側面もあると思います。
でも、本当に多くの人が経済データを信頼しなくなったらそれこそホワイトハウスやFRBが打つ手がなくなります。
去年もFRBがインフレ率が上がり続けているのに「一時的だ」と言い張り続けたことで信頼を失いましたよね。
恣意性のないデータをもとに公正な格付けを行うWeiss Ratingsを知っているあなたにはぜひデータを素直に受け止め、冷静な投資判断を行なって欲しいと思います ^^)
話がそれましたが、バイデン大統領が「6月CPIは古いデータだ」と言ったのは7月に入ってエネルギー価格が下がり始めたからです。
ただ、下がったと言っても原油先物価格は1年前から50%以上上昇しています。
それに、主要なエネルギーである天然ガスの価格はこの1ヶ月で30%以上も上昇して6月の高値水準になってるんですよね…
※tradingview
前回のCPIが大幅に悪化していたのにホワイトハウスが全力で火消しに回ったため株価の下落を避けることができた…
では、もし今回のCPIでホワイトハウスが間違っていた…つまりインフレが収まっていないことが明らかになったらどうなるでしょうか?
6月CPIの時に出てこなかった売り圧力が7月CPIによる売り圧力と重なり急落…というシナリオも十分考えられます。
8月中盤には住宅着工件数や小売売上高など9月の前半には8月のCPI発表…
などなど、9月後半に行われる次のFOMCまでには重要な経済指標が盛りだくさんなんです。
ここまで読んでいただけたらなんで最近の上昇がブルトラップである可能性が高いと僕が考えているのか、わかっていただけたと思います。
本当にシンプルな理由で、最近上昇している大きな要因がホワイトハウスやFRBによるものだからです。
つまり、株式の本質的価値、企業の業績や経済全体が改善して上がっているわけではないんです。(あくまで個人的な意見です ^^;)
実際、企業決算も微妙ですよね。
グーグルの決算は2回連続で予測を下回りましたしウォルマートのように決算前に悪い見通しを発表している企業もあります。
なので、データや情報を素直に眺めると、
・ホワイトハウスが火消ししたが インフレ率はさらに悪化している
・その火消しに使ったエネルギー価格は 一部では上昇に転じている
・FRBが経済に強気である大きな理由である 雇用状況の見通しはかなり悪い
・もし次のインフレ率がピークアウトしていなかったら 先月火消ししたホワイトハウスは信頼を失う
・昨日のFOMCで”ハト派”と捉えられたが 去年まではハト派を貫いたことで 歴史的なインフレを招いてしまった
そして、
・株式の本質的価値である企業の業績は 予測を下回り見通しも悪化している…
といったことが考えられます。
つまり、、、
・GDP予想以下だった…
・インフレ率が思ったより下がらなかった…
・雇用が想定より悪かった…
・アップルなど大手企業の決算が悪かった…
など、ちょっとした要因で今の楽観ムードが吹き飛ぶ可能性があるんです。
もちろん全部の指標が素晴らしい結果でここからぐんぐん上がって行く可能性もありますが結構、危うい状況であることは伝わったと思います ^^;
●結論:どう投資するか?
さて、今回もダラダラと長い文章を書いてしまいましたが、大切なのは結局どう投資するか?です。
今回書いたことはあくまでも僕の個人的な意見です。
有料の投資サービスに加入されている方に届く分析は日米のアナリストがもっと深くまで分析しているのでまったく違う結論が出ているかもしれません。
いろんな意見がある中で、どの分析や考え方が一番納得できるか?を基準に少しでも参考にしていただければと思います ^^)
僕が今の相場で考えている投資は大きく2つです。
1つは、弱い企業をすぐに手放すこと。
弱い企業は今回紹介したような何かの悪化で数十%の大暴落に見舞われるかもしれません。
もし、その銘柄が運良く最近の上昇に乗っているなら損失を最低限に抑える絶好のチャンスかもしれません。
具体的にはWeiss Ratingsの格付けがDランク以下(売り評価)のものです。
過去のデータを見ると、Dランク以下の銘柄の8割程度が10年間持ち続けても損失、、、という結果が出ています。
※Weiss Ratingsより作成
特に今のように不安定な相場でこうした銘柄を持つのはおすすめしません。
もう一つは、逆に今のような相場でもWeiss RatingsがBランク以上(買い評価)を行なっている”強い銘柄”に投資することです。
Weiss Ratingsの格付けは過去のリターンや株価の変動性も評価しています。
なので、今高く評価されている銘柄は、この半年のように株価が不安定だった時も安定した成長を見せていたものが多いです。
そうした銘柄であれば経済指標が悪かったり、ちょっと決算をミスったからと言って大暴落する可能性は低いと思います ^^)
・弱い企業を手放すこと
・強い企業に投資すること
この2つを実践するには3つの方法があります。
1つはブログサイトで公開している無料レポートを見ること。
とはいえ、これらはこの2つを実践するためのレポートではないので情報が不十分かもしれません。
2つ目の方法は、Weiss Ratingsの米国サイトで格付けを確認することです。
英語情報なのでなれないと難しく感じますがここでは全ての格付けが無料公開されています。ぜひご自身が保有している銘柄の評価を確かめてみてください ^^)
3つ目の方法は、・弱い企業を手放すこと・強い企業に投資することこの2つを実践するために作られた特別レポートを読むことです。
2日前に公開したばかりの「今すぐ手放すべき弱い50銘柄」「波乱相場で利益を狙う強い3銘柄」は今のような難しい相場で弱い銘柄を手放し強い銘柄に投資するために作られました ^^)
特別レポートの詳細はこちらのビデオで案内しているのでぜひご覧ください ^^)
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2つの特別レポートを手に入れる
P.S今回は経済指標を中心に、相場の先行きを考えてみました ^^)
僕のメルマガは・今投資すべき最高ランク銘柄・投資のマインドセットの話題が多いと思いますが、今回のような経済指標や相場全体の話はどうでしょうか?
「個別銘柄の話が面白い!」「マインドセット系の話題を増やして欲しい」「経済指標の話には興味がない!」
などあればぜひ感想を送ってください^^)
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https://jp.surveymonkey.com/r/LPCBWNK
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。