底をつくまであと21日
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- 2022年7月4日
- トピックス
石油の最近の動きをご覧になっただろうか?さらなる高値を示すサインが多くある。
まずは、米国の石油備蓄が4億1560万バレルに減少した事実から見てみよう。2014年以来の低水準というだけでなく、米国の石油需要の21日分をカバーするのにギリギリの水準だ。
そしてこれは、米国の原油生産量が2020年4月中旬以来の高水準に上昇したにもかかわらず出た数字だ。
単純に十分ではない。
次に何が起こるかわからないため、あなたも覚悟しておくべきだろう。
私は過去のメルマガで、米国のエネルギー危機が迫っていることを訴えてきた。
では、最新のチャートを見ていこう。
No.1: 戦略石油備蓄が急速に減っている。
過去2週間、米国政府は戦略石油備蓄から1370万バレルを市場に放出した。それでも、商業用石油備蓄はこの期間に300万バレル減少した。
さらに悪いことに、すでにSPRから汲み上げた石油と今後の放出がすでに発表されており、10月までのSPRはこのような状況になっている。
現在の米国のエネルギー事情は、緊急事態と言えるだろうか?
価格は高いが、インフレを考慮するとさらに高くなってもよいだろう。では、本当に緊急事態が発生した場合はどうなるのか?
それを念頭に、もう1つのチャートを見てみよう。
No.2: 世界は大規模な石油不足に陥っている
終わった戦争で戦うのをやめ、次の戦いに勝とうで紹介したチャートが、さらに悲惨な状況になっている。
米エネルギー情報局によると、 米国の石油生産量は日量10万バレル増の1210万バレルと、パンデミック後に最高を記録したにも関わらず、 2017-19年の平均と比較すると、世界で使える石油は少ないだけでなく、減少し続けている。
そして、OPEC+は毎月のように減産している。
これだけで、十分な強気理由だ。
No.3: 精製能力の圧迫
ガソリン価格が高騰しているなら、製油所もガソリンを増産しているはずだと考えるものだが、ウォール・ストリートの経済アナリスト、スティーブ・ラトナー氏がEIAのデータを使って作ったこのチャートを見ると、残念ながら違うようだ。
米国の精製能力は2019年の1898万bpdをピークに、昨年は5.4%(103万bpd)減少し1790万bpdとなった。 これは、企業がパンデミック時に限界精製装置を停止させ、急いで再開する気がないからだ。
さらに、EIAは、2022年の第2四半期と第3四半期の米国の製油所生産量は平均1670万bpdになると予測している。逆行しているのだ。
一方、全国的に見ると、ガソリンの平均価格は3週連続で低下しており、米国人は安堵のため息をついている。だがそれは今のうちであり、おそらく長くは続かないだろう。
私は、米国が21日後に石油を使い果たすとは言っておらず、石油の埋蔵量があまりにも少ないため、本当の緊急事態の際には、空っぽの石油用バレルに直面することになるかもしれないと考えている。
つまり、緊急事態ではないが、例えば現在のように、石油の埋蔵量が少なく、古き良き需給逼迫が、石油価格を想像以上に上昇させる可能性があるということだ。
この流れに乗るアイディアの1つとして、エネルギー・セレクト・セクターSPDRファンド(XLE)は、次の上昇局面で有効なエクスポージャーを得る方法だ。しかし、XLEの個別銘柄まで掘り下げてみるのも良いだろう。
優れた企業は石油生産者であるだけでなく、S&P500の利回りを凌駕する配当金を支払っている。 また、原油価格の上昇により、生産者はフリーキャッシュフローを得ることができるため、配当を大幅に増やすことが可能だ。
どのような選択をするにしろ、必ず自分自身でデューデリジェンスを行って欲しい。
あなたの成功を願って。
ブロドリック
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