ビッグデータが秘める巨大な可能性
- 75877 Views
- 2022年11月29日
- トピックス
中央集権的な仮想通貨取引所であるFTXの破綻を受け、ビッグデータに大きなチャンスが到来している。
FTXの破綻は、ほとんどの投資家の不意を突いた。仮想通貨取引所は透明性のある金融取引に大きな役割を果たした。しかしその不透明な部分が、結果的に破滅を招いた。
投資家は、フェア・アイザック(FICO)の購入を検討する良い機会だろう。詳しくご説明したい。
DeFi(Decentralized Finance=分散型金融)は、手数料を取る仲介業者を必要とせず、ブロックチェーンと呼ばれる分散型台帳を使用して取引を行う。 この台帳は変更や複製ができず、すべての参加者が、すべての取引の入力内容を見ることができる。それにより、DiFiは金融取引に完全な透明性を提供する。この透明性のため、中途半端な保証人は不要だ。理論上ではそうなっている。
しかし、FTXは中央集権的な取引所だった。サム・バンクマン・フリードCEOは、ネットワークの透明性を活用することで初期のキャリアを築いた。彼は、2014年にMITを卒業後、アラメダ・リサーチを設立した。このクオンツ投資会社は、日本と米国で取引されるビットコイン(BTC)のわずかな価格差のアービトラージ(裁定取引)を開始した。
関連記事:
彼が2019年にブロックチェーンに支えられた完全な暗号資産交換業者を立ち上げることは、論理的なステップだった。
バンクマンフリード氏は、その若さにもかかわらず、出資を求めるベンチャー・キャピタルとの交渉で全権を握った。ニューヨーク・タイムズ紙によると、セコイア・キャピタル、ブラックロックからタイガー・グローバル・マネジメント、ソフトバンク・グループまで、出資者は「彼を支持して様子を見る」よう前もって警告されていたという。
出資者はFTXに20億ドルを投資するために、次々と列をなしてきた。バハマに拠点を置く同社は、他の仮想通貨企業が破綻し始めた10月にも320億ドルの評価を得ている。
しかし11月に入り、FTXは破産法適用を申請した。現在30歳のバンクマンフリード氏は、「失敗した」と言う。内部関係者は、アラメダがFTXと資金を融通しあったのではないかと推測している。
透明性とはよく言ったものだ。
FTXの凋落は、投資対象としてのDeFiに新たな打撃を与えた。
2年前、投資家はDeFiが伝統的な仲介者を一気に崩壊させるというアイデアを買った。DeFiは、クレジットカードの決済や保険の転売を目的とした古いビジネスを嘲笑している。銀行との信用スコアの保証は、今やソフトウェアによって取り込まれている。
フェア・アイザック(FICO)は旧来のビジネスだ。1956年、スタンフォード大学で学んでいたビル・フェア氏とアール・アイザック氏が出会い、カリフォルニア州サンノゼに本拠を置く信用調査会社が設立された。二人は、過去の消費者行動を理解するアルゴリズムと予測分析を使って、銀行の融資を変革するという過激なアイデアを持っていた。
現在、FICOのテクノロジーは、クレジットカードに関する意思決定の65%に利用されている。米国のクレジットカード発行会社上位100社のうち90社、国内金融機関上位100社のうち95社が顧客となっている。また、世界的な保険会社600社、小売店・量販店400社以上と取引を行っている。
FICOのビジネスマネージャーは、毎年安定的なビジネスの成長を実現している。売上高は、2020年の12億9000万ドルから2022年には13億8000万ドルと、6.9%増加した。ビジネスのダイナミズムは信頼性にある。
FICOの経営陣は2日、第4四半期の売上高が前年同期比4.2%増の3億4870万ドルに伸びたことを報告した。第4四半期の当期純利益は5.8%増の9070万ドルとなった。一株当たり利益は18%増の3.55ドルとなり、次四半期も2桁のEPS成長見通しとなっている。
ウィル・ランシングCEOは、現在のマクロ経済の混乱に直面しても、ビジネスの強さは回復力を示していると述べた。これは謙遜した言い方だ。
顧客はしっかりとついている。
証券取引委員会に提出された書類によると、第4四半期中の純顧客維持率は107%だった。同社のプラットフォーム・ソフトウェアの顧客維持率は128%、それ以外の顧客維持率は100%だった。DeFiという新しい選択肢が登場したにも関わらず、すべてのビジネスセグメントで顧客が離れていくことはない。顧客は、同社のサービスに料金を支払うことに抵抗はない。
DeFiによって崩壊されるはずだった企業が逆に炸裂している。
実際、アップスタート・ホールディングス(UPST)はその良い例だ。同社は、銀行や信用金庫が消費者ローンの審査に使用する人工知能ソフトウェアを提供している。先週のナスダックのデータによると、カリフォルニア州サンマテオに本社を置く同社は、第3四半期の1株当たりの損失が予想を50%下回ったと報告した。
FICOの株価は607.57ドルで、PERは27倍、PSRは10.6倍で取引されている。2022年の株価は40.1%上昇しており、550ドルに向けた下落局面では買い材料となるだろう。
今回はここまでだ。
健闘を祈る。
ジョン・D・マークマン
※ 広く一般の投資家に情報としてお届けする事を目的とした記事であり、Weiss Ratings Japanが運営する投資サービスの推奨銘柄ではありません。予めご了承下さい。