毎月配当&配当利回り約10%のAランク銘柄
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- 2023年2月8日
- トピックス
こんにちは。Weiss Ratings Japanの安居です。少しお久しぶりですね ^^;
今回は「最高ランク米国株25銘柄」最新号から僕が注目する2銘柄を取り上げたいと思いますが、その前に最近の相場と前回のメルマガを振り返って起きます。
前回のメルマガをお届けしてから昨日までの間に、米国株式市場はぐんぐん上昇。
僕がずっと気にしていた200日移動平均線もしっかり上にこえていきました。次の節目は350日移動平均線で、2月2日はここで跳ね返されてしまいました。
350日移動平均線といえば、昨年9月のメルマガで「長期デッドクロス」で話題にした重要なポイント。次はここを超えていけるかに注目が集まりそうです。当時のメルマガはこちらからご覧ください。
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今週の下落で買った銘柄
とはいえ、ずっと課題だった200日移動平均線も昨年頭からの下落トレンドラインもしっかり超えているので、個人的にはあまりネガティブじゃありません。長期投資を前提に、Weiss Ratingsが高く評価する優良銘柄をどんどん買っていこうと考えています ^^)
最近の大きな話題は先週金曜日に発表された雇用統計です。
非農業部門の雇用者数の伸びは、予想19万人増に対して結果は51万人増。リセッション懸念が高まっていましたが、労働市場は絶好調なようです。一方、労働市場が絶好調ということはまだまだ利上げが続くだろう、ということで発表の後株価は下がりました。
しかし気になるのは、、、、META、グーグル、アマゾン、マイクロソフト、セールスフォース…輝かしい大手ハイテク企業が相次いてレイオフ計画を出していますが、彼らは一体どこに再就職しているんでしょうね…?彼らの転職先は次のGAFAのような成長市場になる可能性があるので、グーグルを辞めた優秀な人財がどこに流れているのかは要注目です。
僕が調べた感じだと、小売店などが独自データに基づいた広告・マーケティング施策を行うリテールメディアに注目が集まっているそうです。
ということはウォルマートをはじめとする小売店などから、購買体験を一変させるイノベーションが起こるかもしれませんね ^^)
さて、前回のメルマガでは【「配当は無意味」の真意】という件名で、・長期の資産形成で配当が合理的ではない理由・それでも僕が高配当銘柄を選ぶ理由をお届けしました。
僕自身、配当好きで配当を話題にすることも多いですし、高配当投資はメジャーな投資スタイルの一つなのでかなり関心が高いようで、過去2番目くらいに多くの感想が届きました ^^)
ちなみに一番多く感想が届いたのは【S&P500より人気ETFの危険な事実】だと思います。
正直、「配当が無意味だなんてふざけるな!」みたいな感想が届いているんじゃないかとドキドキしましたが、ほとんど全員、あの長い記事をほぼ最後まで読んで、内容や伝えたかったことを理解した上でコメントしていただいています。このメルマガの読者は投資リテラシーが高く、投資について積極的に学ばれているんだと再認識しました ^^)
届いたコメントを一部紹介すると…
バフェット氏や奥野氏の見解は究極的であり、正論である事は理解できますが、自分も正に安居さんと同じ考えです。今回のメールのような考察は、とても興味深く、参考になりました。ありがとうございます。今後も安居さんの、商業目的を度外視した情熱あるメールを楽しみにしております。
ショーレン パペット様
69歳の私としては死ぬ時の含み益より目の前のお金が大事ですし、感情のコストという面でも、スッキリと説明いただき有難うございます。
ted 様
長期の資産形成で配当が必要/ 不必要な理由が簡潔にまとめられていて、(最初は斜め読みのつもりでしたが)文章校正が上手く最後まで読んでしまいました。とても大切な視点で自分の投資を考える良い参考になりました。
M S 様
「連続配当企業こそ正義」だと思っていた私に、そうじゃない意見もあるんだよと言う事を教えていただきありがとうございます!配当に対する考えがアップデートできました。
K Y 様
矛盾しそうなタイトルでしたが、非常に理解しやすく、まさに「腑に落ちる」でした。良かったです。
maekatu 様
コメントをくださった方、いつも読んでくださっている方、ありがとうございます。
一つ質問もいただきました。メルマガの中で、アマゾンとジョンソン・エンド・ジョンソンのリターンを比較していたのですが、それを配当再投資込みで見たらどうなりますか?というものです。
確かに高配当銘柄のリターンを比較するなら、配当再投資込みじゃないとフェアじゃないですね。というこで、配当再投資込みのリターンも調べてみました。
【ジョンソン・エンド・ジョンソン】
ジョンソン・エンド・ジョンソンの過去20年間の配当再投資込みリターンは462%です。株価成長だけだと326%なので、リターンの3割ほどが配当由来ということになりますね。
【アマゾン】
一方、Amazonを見てみましょう。こちらも配当再投資込みで出していますが、アマゾンは配当を出していないので実質株価上昇飲みのリターンです。
20年間のリターンは9,279%、ジョンソン・エンド・ジョンソンのおよお20倍。これが奥野一成さんのいう「配当を出さないことによる企業価値の複利成長」です。
前回のメルマガはこちらからご覧ください
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「配当は無意味」の真意
前置きが長くなりましたがようやく本題。2月3日に「最高ランク米国株25銘柄」を更新しました!その中から僕が気になった注目2銘柄を取り上げたいと思います。
No.1ワイス・マーケッツ
まずはじめに取り上げるのは第1位に選ばれた「ワイス・マーケッツ」です。その評価がこちら。
さまざまな要素がバランスよく高評価。レポート発行時点では唯一の「A」ランク銘柄です(No2は「A-」)です。ちなみにワイス・マーケッツは昨年10月ごろには「A+」という正真正銘の最高評価を得たこともあります。
日々格付けをみられている方ならご存知と思いますが、たとえ一時でも「A+」つまりWeiss Ratingsが「これ以上の評価はない!」という評価を与えることは滅多にありません。実際、もう3年ほど毎日格付けをみていますが「A+」の評価を得たことがある銘柄はおそらく5個もなかったと思います。
ワイス・マーケッツはアメリカで展開する小売店なので、日本での知名度はほとんどありません。ですが創業100年以上の歴史があり、メインで営業するペンシルベニア州には119もの店舗があります。
ワイス・マーケッツに注目した理由は格付けが高いだけではありません。歴史ある小売店として安定した業績も魅力ですが、最大のポイントはリテールメディアの活用です。
このメルマガの前半で「大手ハイテク企業が次々レイオフを発表しているが、彼らはどこに再就職しているのか?彼らの転職先が次のGAFAMのような成長産業になるかもしれない」と言い、転職先の一つとしてリテールメディアに注目が集まっているという話をしました。
ワイス・マーケッツは昨年、リテールメディア活用をかなり大きく加速させているんです。
昨年12月には東芝のクラウドシステムを導入し、POS(販売管理)システムの導入や、AIを使ったダイナミックプライシング(需給に応じた柔軟&自動的な価格設定)の導入。さらにはECと店舗の購買体験の融合と再発明に取り組んでいると発表しています。
昨年7月には新たな広告システムの導入も発表していました。これによりワイス・マーケッツは自社のECサイトからの売上だけでなく、購買データに基づいた高精度の広告提供による収益も得られるようになります。
まさにGAFAMに在籍した優秀なエンジニアたちが活躍できる領域です ^^)実際にハイテク企業からワイス・マーケッツに転職した人がいるのかはわかりませんが、こうした取り組みがレイオフが相次ぐハイテク企業の受け皿になっていることは確かでしょう。
僕は食品・小売系の銘柄をすでにたくさん保有しているので、今すぐワイス・マーケッツに投資しよう!という感じではありませんが、もう少し追加分析をして、クラウド導入や広告参入の成果が見え始めた頃に投資するのも面白いなと考えています ^^)
No.9 サビーン・ロイヤルティ・トラスト
続いて紹介するのは第9位にランクインしたサビーン・ロイヤルティ・トラスト。個人的にはワイス・マーケッツより魅力に感じています ^^)
その評価がこちら。
6つのRating Factorのうち5つが最高評価。最高評価が4つの銘柄は他にもありますが、5つというのは滅多にお目にかかれません。
なかでも注目は配当利回りが9.93%だということ。配当利回りがここまで高い銘柄はたいてい裏があります。業績が悪くて株価はダダ下がり。配当だけは無理やり維持しているので利回りが高いというパターンがほとんど。ですが、この企業の株価を見てみると…
2020年からのチャートでは綺麗な右肩上がりを続けています。業績も素晴らしく、売り上げは株価成長以上のスピードで成長しています。
しかも注目して欲しいのは、先ほどの株価チャート。下の方に青色で「D」と書かれたアイコンがありますよね。これは配当を発表したことを示しています。なんだか数が多いですよね 。
実はこの銘柄、通常の四半期配当ではなく、毎月配当を出してくれているんです。毎月配当が出て年間利回りは10%近く。配当投資家にとって多少の株価変動なんかどうでもいいくらい嬉しい銘柄です ^^)
業績成長も十分。Weiss Ratingsの評価も最高レベル。配当投資家には嬉しい毎月配当&超高配当
もう投資しない理由が見当たらない気がしてきますが、問題はこの配当、業績成長が今後も続くのか?です。
サビーン・ロイヤルティ・トラストは、石油や天然ガスの権益を持ち、資源の採掘会社などからロイヤリティを得えています。トラスト(信託)というビジネスモデルの特徴として、売上のほとんどがそのまま利益になります。
また、直近1年間の配当支払い総額は約120Mで、直近1年間の総売上は約116Mでした。
つまり、売上が増えれば利益が増え、その利益はほとんどそのまま配当に充てられると言うこと。
なので投資家として考えることは、売上を伸ばすことができるのか?最低でも維持できるのか?という点です。
そして石油や天然ガスの権益が収益なので、売上は当然、それらの価格や需要に影響します。ということでそれらの価格を見てみましょう。
まずは原油先物。
ウクライナ侵攻によって急騰したピークからは半値程度にまで下落していることがわかりますが、2、3年前と比べるとまだまだ高い位置にあることがわかります。
続いて天然ガス。
天然ガスの下落は凄まじく、ピークから3分の1程度まで下落し、2021年前半の水準にまで下落しています。
しかし先ほど見せたサビーン・ロイヤルティ・トラストの業績と株価チャートを見る限り、石油や天然ガス価格に影響されている様子は全くありません。株価は最高値を更新し、売上も前年比3桁成長を続けています。
この理由をちゃんと分析すれば、サビーン・ロイヤルティ・トラストはポートフォリオに加える価値のある安定収入銘柄になるかもしれません。
どんな理由が考えられるでしょう?
サビーン・ロイヤルティ・トラストは天然ガスより石油からの権益の方が大きいので、石油価格がまだ高い位置にある間は売上を維持できるのかもしれません。また、景気後退後、中国のリオープン(経済活動再開)による需要増を見込んでいるのかもしれません。
権益ビジネスなので、石油価格よりも採掘量や流通量などによって儲かるビジネスなのかもしれません。アメリカは昨年、高騰する石油価格を抑えるため戦略石油備蓄を前例がない規模で放出しました。価格が下がっても採掘量や流通量が増えると儲かるビジネスモデルなら、今後も売上を伸ばせるかもしれません。
僕はまだそこまで調べられていないですし、資源投資にはあまり詳しくないのですが、株価も上昇を続けながら、Weiss Ratingsが最高評価を与え、年利回り10%近い配当金が毎月もらえるというのは魅力的です。
僕は伝統的な高配当銘柄はすでにたくさん持っています。なので、1つくらいちょっとアグレッシブな高配当銘柄をポートフォリオに入れても面白いかなと思って今回取り上げてきました。
もしあなたがまだ伝統的な高配当銘柄を十分ポートフォリオに加えていないなら、おすすめはWeiss Ratingsが「配当投資家にとってこれ以上の選択肢はない」といったヘルスケア高配当銘柄がおすすめです。
配当利回りは4%ほどとサビーン・ロイヤルティ・トラストよりは低いですが、50年以上連続で増配してきた歴史があり、競合が参入しにくく、無くてはならない分野で圧倒的な売り上げ規模をもつ製品を持っています。
こういう銘柄をいくつか資産の土台に据えた上で、サビーン・ロイヤルティ・トラストのようなちょっと変わり種の高配当銘柄を組み込むと、安定&リッチな配当金生活が近づくと思います ^^)
P.S.
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この銘柄について紹介してほしい!というコメントもお待ちしております。
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